市役所から浅川を渡った、今の市立第二中学校のあたりに、その昔「八王子競馬場」がありました。ただ営業していたのは、戦前のたった6年ほどでしたので、それを記憶する人は、ほとんどいないことでしょう。
元々この地域は、神社の祭礼の余興として「お祭り競馬」が盛んでした。農耕馬に村の若者が騎乗して競争する草競馬は、遠方からも見物客が集まるほどでした。
1928年、競馬施行許可が下り、第1回レースが開催されると、人気は急上昇。あっという間に手狭になってしまい、1934年には、高倉町に移転することになったのです。
中野上町には、もう一つ特筆すべき史跡があります。それは「萩原製糸場」です。明治10年創業の八王子最古級の水車による器械製糸場でした。明治中期には、あの富岡製糸場を上回る規模だったといいますから驚きです。やがて生糸恐慌により経営不振となり買収されてしまいました。
浅川にかかる「萩原橋」は、萩原製糸場の創業者・萩原彦七が私財を投じて掛けた橋。南詰に古びた大きな石碑があります。欄干には製紙業にちなんだ糸車やお蚕のレリーフが設えてあり、その来歴を表現しています。
ちなみに萩原製糸場跡地は現在、消防車メーカーの日本機械工業の工場になっていて、当時の建物らしきものを、秋川街道からちらりと見ることができます。
八王子の不動産売買、売却査定、買取り、仲介手数料無料新築一戸建のご相談はLIXIL不動産ショップ八王子住まいる不動産まで、お気軽にお問合せ下さい。