【相続人が3人・実際に引き継ぐのは2人】相続放棄したら基礎控除はどうなる?
公開日: 2026年8月30日 | 相続・不動産の基礎知識
「兄弟3人のうち1人が相続放棄して、財産を分けるのは2人だけになった…」
「この場合、相続税の基礎控除額は2人分に減ってしまうの?」
ご実家の相続や空き家整理などのご相談で、非常によくいただくご質問です。
結論からお伝えすると、「相続放棄をした人がいても、基礎控除の計算上の法定相続人の数は減りません(3人分のまま)」。
1. 相続税の基礎控除の基本ルール
相続税には「遺産の総額がこの金額以下であれば、申告も納税も不要」という非課税枠(基礎控除額)が設けられています。
基礎控除額の計算式
3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )
法定相続人が3人の場合、3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円 となります。
2. 相続放棄しても「3人分(4,800万円)」が適用される理由
民法上、家庭裁判所で正式に相続放棄をすると「初めから相続人とならなかったもの」とみなされます。
しかし、相続税法(税金の計算ルール)では、「相続の放棄があったとしても、放棄がなかったものとして法定相続人の数を数える」と明確に規定されています(相続税法第15条第2項)。
| ケース | 実際に相続する人 | 基礎控除の計算人数 | 基礎控除額 |
|---|---|---|---|
| 全員が相続 | 3人 | 3人 | 4,800万円 |
| 1人が相続放棄 | 2人 | 3人(維持) | 4,800万円(減らない) |
そのため、残った2人で4,800万円分の非課税枠をそのまま利用することができ、控除枠の面で損をすることはありません。
3. 「正式な相続放棄」と「遺産分割でのゼロ」の違いに注意!
「2人だけで分ける」と言っても、手続きの違いによって大きなリスク差が生じます。
- 家庭裁判所での相続放棄(正式な放棄)
プラスの財産だけでなく借金もすべて手放します。被相続人に予期せぬ負債があっても請求される心配がなくなります。 - 遺産分割協議で取り分をゼロにする(話し合いのみ)
財産をもらわない合意をしても法的な放棄ではないため、万が一の借金に対する返済義務はそのまま残るリスクがあります。
4. まとめ:迷ったら専門家へご相談を
相続放棄をしても基礎控除は3人分(4,800万円)のまま変わりませんが、不動産の名義変更(相続登記)や空き家の売却、特例控除の適用など、状況によって最適な進め方は異なります。
「実家をどう分けるべきか」「負債リスクを避けて売却したい」などでお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
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